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「おそらく中国の不良債権は米国のサブプライム危機の4倍に達する。中国の不良債権危機はこれから表面化するだろう」「なぜなら中国の国有銀行はゾンビ企業に巨額を次々と貸し込んできたからである」「3年以内に人民元は60%下がる」(1)


 

『中国大恐慌以後の世界と日本』  

各国に広まるチャイナショックの現実と今後

宮崎正弘  徳間書店 2016/3/30

 

 

 

<天変地異を前に逃げ出すネズミ>

・経済が失速し、不動産価格が暴落し、失業者が町に溢れ、社債デフォルト、株式大暴落の中国。人民元はさらなる崩落の危機を迎えている。

 社会科学院の報告は「春はもう来ない」。にもかかわらず中国でレクサスなどの高級自動車が売れるのは不思議、まさに面妖な現象である。

 ソ連崩壊の頃の情景を思い出す。

 モスクワ市内ではタクシーがルーブルで支払えず、マルボロだった。つまり米国製のタバコ「マルボロ」が通貨代わりだった。

 当時、筆者は6回ほどモスクワに通ったが、行くたびにルーブルの価値は1ルーブル=240円、80円、50円、1円、そして最後に0.12円となった。実に2000分の1に減価したのである(その後、ロシアは新ルーブル札を発行した)。

 

<いよいよ始まった金融崩壊>

「おそらく中国の不良債権は米国のサブプライム危機の4倍に達する。中国の不良債権危機はこれから表面化するだろう」「なぜなら中国の国有銀行はゾンビ企業に巨額を次々と貸し込んできたからである」「3年以内に人民元は60%下がる」

 

・中国当局の金融緩和、市場へじゃかすかと資金供給を続ければ、人民元暴落に直面するという二律背反は明らかである。

 

2016年にやってくる債務償還危機>

・もし債務のうちの半分が不良債権化すると想定すると、リーマンショックの2倍以上の規模となる。史上空前の借金を中国はいかなる勝算があって続けてきたのだろうか。

 前述したように、2016年末までに債務残高の半分の償還時期がくる。返済は明らかに無理だから借り換えをしなければならない。アルゼンチンやブラジルのように借金のための借金を重ねる自転車操業国家に陥るか、あるいはロシアのように一度倒産させて新貨幣発行に踏み切るか。

 

<日本への悪影響は甚大かつ深刻>

・「その後」を予測するには現状に立脚して次に何が起きるかを予測する作業が必要であり、それから展望できる近未来、その対応策の準備である。

 

日本はまず人民元の暴落に備える必要がある。

 中国としては人民元安になれば、輸出企業は競争力を回復できると見積もられるが、それは甘い憶測である。「切り下げになった分だけ値下げせよ」とバイヤーに言われ、輸出企業は工場の規模を縮小させ、海外へ移転するしかないだろう。人件費の高騰で中国が「世界の工場」と言われた日々は遠い昔のことになりつつあるからだ。

 15年前、中国の縫製工場での女性労働者は月給が600元(当時の相場で8000円ほど)だった。いまや4万円前後、マネジャー級は8万円でも人材がいない。だから繊維産業ばかりか、スポーツシューズ、家庭用品、白物家電などが中国からベトナム、ラオス、カンボジア、ミャンマーへ、繊維産業はバングラデシュ、スリランカへと移転を続ける。

 

・一方で人民元高は原油・ガス・鉄鉱石などの原材料の輸入に有利だったが、すでに生産の低迷と在庫の積み上げで意味がない。逆に人民元安はインフレを招く可能性が高い。インフレは庶民の最大の懸念、政府への不信が増大せざるをえなくなる。

 最も懸念されている事態とは、すでに中国に見切りを付けた外国資本の逃避であり、しかも加速度をつけて中国から大量の資金が逃げ去ったことである。

 ついに有力企業の倒産も顕著となった。

 

・このほどさように中国の経済破綻は日本経済に直截な破壊力を伴っており、日本株の上昇の可能性は当面、遠のいた。

 いずれにせよ中国経済破滅は日本経済にとっても深刻な問題なのである。

 

人民元がSDR構成通貨に入ったという口実で、AIIBの資本金も突如、人民元建てに切り替え、貸し出しも人民元にするという手段に出ることも考えられるだろう。

 するとどうなるか。紙屑同然の人民元が世界にあふれ出すのである。

 

<中国の死にものぐるいの巻き返しに警戒せよ>

・ならば中国経済の崩壊以後、世界経済はTPPが牽引するのか?

 日本では「TPPに活路あり」などと獅子吼し、これは日本経済の活性化に繋がり、しかも「中国抜き」だから日本は安心と楽観論を述べる人がいるが、基本的錯誤である。

 第1に米国議会が批准するのはかなり先になり、即効は望めないからである。大統領予備選のトップを走るヒラリー、トランプともTPPには反対の立場であり、サンダースやクルーズといった他の候補も同様である。

 第2TPP95%の関税自由化により、オレンジ、葡萄などが壊滅的打撃を受けるとされるが問題は農産物だけではなく、すでに導入が始まった社外取締役の設置のように、企業ガバナンスがアメリカのルールに変更される恐れがあり、日本の企業伝統にとっては一大事件なのである。

 平和憲法がアメリカ製であることは誰もが知っているが、実は憲法の根幹から枝分かれする刑法、民法、商法についても、すでに日本はアメリカ法の植民地と化している。しかもアメリカからは対日年次改革要望書が毎年出され、そこに盛られた「諸改革」(郵政民営化など)を日本は呑み続けてきた。日本の金融市場はウォール街の論理とルールが支配し、東京の株価はウォール街が決めることとなった。

 

・第3は中国の死にものぐるいの巻き返しがかえって世界経済に害悪を及ぼすと予想されることだ。追い詰められ崖っぷちに立った中国は、SDR入り、AIIBBRICS銀行、そして新シルクロード構想(一帯一路)という空前の大風呂敷を広げた。

 

軍事方面で最大の懸念は中国は経済を失速させて、いつまで軍拡に耐えられるかという問題と、切羽詰まれば二流の指導者は国内矛盾を逸らすために戦争に打って出やすいという歴史の教訓である。

 

<日本の反撃は可能なのか?>

・人民元のさらなる暴落の予兆と中国からの資金流失、景気の低迷はさらに悪化する方向にあり、欧州にまで飛び火している。

 

・しかし本書でも述べてきたように、現実の問題としてすでに中国の過剰在庫、過剰設備投資はアジアで鉄鋼不況などの深刻な悪影響をもたらしており、FRB議長の現実認識にややタイムラグを感じた発言だった。

 

<世界を覆う4つの危機>

・いま、世界を不安に陥れている危機感は4つある。

「中国経済の陥没」「原油価格下落による新興国の沈没」「第3次世界大戦に繋がりかねない中東紛争」。そしてVW(フォルクスワーゲン)とドイツ銀行の経営危機に加えて難民問題を抱えるドイツ経済の頓挫がもたらすであろう「ユーロ危機」だ。

 

<日本が築く新たな世界秩序>

・ことほど左様に新興投資対象国もリスクが一杯である。となると残る可能性を秘めるのはどこか?

 実は日本なのだ。先進国で一番失業率が少なく、若者の就労機会は山のようにあり、福祉厚生介護などは至れり尽くせりの長寿国家は、世界一のものづくりを誇る国でもあり、経済が再離陸する展望は明るい。

 もし日本政府からの情報発信がもっと適切に行われ、日本の魅力の宣伝に成功すれば、外国企業は日本を投資対象として見直すだろう。積極的に海外のプロジェクトを主導するのも大いに結構だが、もっと私たちの足元をよくするプロジェクトを考えたいものである。

 国土強靭化、一億総活性化などを、スローガン倒れとしないためにも、官も民も、もっと足下を照らすべきだ。日本国民の精神の復興が明日の繁栄と平和の礎に繋がる。

 

<「中国のハードランディングは不可避」>

・中国経済はハードランディング中だ。

 2015年秋に中国政府のシンクタンク「中国社会科学院」が公表した『メイド・イン・チャイナの新常態』という報告書はまさに衝撃的だった。

 同報告書は中国経済の深刻な状況を解析しながら、「過去の強気一辺倒の姿勢は影を潜め、『春は二度と来ない』」と書いたのだ。

 

・同じ頃、ダボス会議でジョージ・ソロスは「中国経済のハードランディングは不可避的である」と爆弾発言をした。

 

北京の空を覆うPM2.5のように、中国の未来は真っ暗になった。

 

<台湾・香港で見てきた「爆買い」の終焉>

・加えて石炭、製鉄、セメント業界は1000万人の雇用があったが300万人の労働者が明らかに不要となり、工場閉鎖、倒産が続いて、解雇どころか給料未払いという最悪の状況に陥っている。

 株安、人民元安、輸出急減、外貨準備枯渇、銀行の不良債権が表面化するのは時間の問題となった。

 

<中国の外貨準備は枯渇している>

・中国の債務はGDP290%。そして企業債務は160%。プラウダは「対GDP比でまもなく310%を超える」と書いた。債務残高の巨額は日本や米国より遥かに悪い。

 加えて不動産バブルと国有企業の過剰投資、在庫処分などから債務合計の半分が不良債権と計算すれば、おそらく中国の負債、つまり不良債権の総額は2000兆円を超えると想定される。この金額はリーマンショックを超える。

 

 

 

『ロシア転覆、中国破綻、隆盛日本』

長谷川慶太郎   実業之日本社  2015/7/30

 

 

 

<そのトヨタの幹部は「中国はダメだ」といっていました>

・「本当は(中国から)撤退したいと思っている」というのです。今、中国では醜いダンピング状態が続いているといいます。一般紙など日本のマスコミは報道していませんが北京、上海など大都市郊外に廃車の山ができているのです。トヨタには中国で新工場を建設するという話がつい最近までありましたが、それも見直すといっていました。本文でも触れていますが、先日、日本経済新聞が中国では5000万台生産して2500万台供給過剰だという記事を掲載しましたが「あれは甘い」というのです。「売れるのは2000万台で供給過剰は3000万台を超える」と予想しておりました。中国ではクルマを生産して販売するような状況ではないのです。ですから、日本企業は中国から撤退しています。

 

・こうしたなか、習近平は汚職の摘発に積極的です。20151月に中国の人民解放軍の全部隊に対して「1万元以上の支出に関して全部、領収書を出せ」という命令を出しました。しかし、「そんなものはない」と現場では混乱しています。そこで中国政府は「1年間猶予を与える。それでもだせなかったら担当者の責任を追及する」という決定を下しました。この決定で、軍幹部ほとんどの首をすげ替えようとしています。習近平にとってもまさに正念場なのです。

 

本書では中国の破滅と同時にロシアの破綻にも迫りました。今や共産主義、社会主義国家の存立は風前の灯火となっています。日本をはじめ、全世界はこうした情勢を認識して行動しなければならないのです。

 

<タンクローリーで「水」を供給>

・中国では公害問題が深刻です。今でもPM2.5による大気汚染が一向に改善されませんが、それ以上に深刻なのが「水の汚染」です。

 現在、人民解放軍のタンクローリーで毎日、給水をしている農村が約3万か所もあります。農民は毎日飲む水が確保できない状況です。まして、畑に供給する水はありません。作物は育てられず、人間が生きていくための最低限度の水しか供給を受けられないという厳しい生活を強いられているのです。

 井戸を掘っても出てくる水がドロ水で汚染されていて飲めません。

 

<一夜にして廃車の山>

・習近平は変わらざるを得ないのです。このままでは中国はつぶれるからです。その証左のひとつはクルマの売れ行きがあまりにも酷いことです。面白いのは、中国の大都市である上海でも北京でもそうですが、郊外の空き地に一夜にして廃車の山ができます。警察官が走っているクルマを任意に選んで、排気ガスを調べます。そして排ガス規制の基準を満たしてしないクルマは、即刻、強制的に廃車にさせられるのです。結果、昨日まで何もなかった土地に、突然、何十台もの廃車の山が出現します。

 

<赤字路線がほとんどの中国高速鉄道>

・中国に高速鉄道があります。現在、その距離は中国全土で21000キロメートルになりました。そのうち、黒字路線は400キロメートルしかありません。具体的には上海と南京まで区間を走っている高速鉄道だけが黒字で、残りの2600キロメートルは赤字路線です。

 

<完全に行き詰ったロシア>

・一方、ロシアも厳しい状態にあります。その理由については後ほど、詳しく述べますが、共産主義、社会主義は消滅する運命にあるということです。かつて国立大学の経済学部でマルクス経済学を教えていた学者は今どうなりましたか。マスコミで登場する人はほとんどいなくなりました。また、こうした学者の目新しい出版物もありません。共産主義や社会主義に対する関心が薄れているんです。

 

・ロシアの蹉跌は深刻で、破綻の道をたどり始めています。外貨準備高が大きく減少し経済的に大きなダメージを受けて沈みつつあります。ただ、日本への影響は軽微に済むとみられます。日ロ貿易額はそれほど大きくないからです。

 ロシア、中国という2つの大国が破綻に向かっていることは事実です。その点は日本も覚悟しておく必要があると思います。

 

<ソ連崩壊と同じ道をたどる中国>

・ロシアや中国の現状には、痛感することがあります。1985年にはゴルバチョフがソ連の政権を握りました。その当時、ソ連が大変な危機で、その対策として実施したのがペレストロイカ(改革)とグラスノスティ(情報公開)でした。

 19864月に起きたチェルノブイリ原発事故で、当時、書記長だったゴルバチョフの下になかなか情報が伝達されなかったことがありました。

 ソ連の秘密主義が最高指導者の政策に深刻なダメージを与えたとして、ゴルバチョフは言論・思想・出版・報道の自由化と民主化を実施したのです。ただ、これにより徐々にソ連共産党幹部の豪華な生活ぶりや汚職、不正が、生活で困窮している国民に知れ渡り、国民に反共産党感情を引き起こしてしまいました。

 さらに計画経済・統制経済の行き詰まりを打開するために、個人営業や協同組合(コーポラティブ)を公認したことがキッカケとなり、ソ連体制の抜本的改革が進行するに伴ってソ連自体が解体への道をたどったのです。

 それと同じことを現在の中国国家主席・習近平が行なっています。中国はソ連と同様に解体への道を突き進んでいるのです。習近平は、中国が困窮している今の事態を何とか打開するために、日本に近寄ってきます。だから、日本と中国の関係は目にみえて良くなります。

 

<目前に迫ったロシア崩壊>

・私たちは最悪、ロシアが分裂する事態に陥ることも念頭に置いておかなければならないでしょう。実際どのように分裂するかは現時点では分かりません。シベリア地域と、ヨーロッパロシア地域とに分裂することがあるかもしれません。

 中国の場合には、7つの軍区があり、その軍区ごとにゆくゆくは分裂することになると、私は指摘してきました。ロシアの場合も中国同様に軍区はありますが、中国の軍区とは違います。中国の軍区はその地域をコントロールする「力」を持っていますが、ロシアの軍区にはそのような「力」はありません。

 

<日本への影響は>

・日本への影響はプーチン氏が大統領を辞めたとしても、たいしたことはありません。現状から大きな変動はないでしょう。日本企業はすでにおおかたロシアから手を引いています。ロシア西部の都市サンクトペテルブルクの周りには日本企業は工場を展開していました。自動車工場が中心でしたが今、フル操業のところはひとつもありません。

 

・ロシアでクルマが売れなくなってきたからです。このため各社は操業率を落として対処していますが、操業停止に追い込まれた工場もあります。ある日系企業では操業したら赤字になる厳しい状況が続いているようです。まさに開店休業状態にあるといいます。ですからロシアに進出した日本企業は大変でしょうが、ロシアの動きに対して日本は基本的に高みの見物をしていればいいのです。

 

<息の根を止められるロシア経済>

<石油輸出で経済拡大を図ってきたロシア>

<原油安とルーブル安のダブルパンチで窮地に>

・プーチン政権は窮地に立たされているのです。繰り返しになりますが、ルーブル安と原油価格の下落、つまり「逆オイルショック」という内憂外患により今まさにロシア経済は「息の根を止められる」ところに来ているといえます。

 

・ロシア経済がマイナスに陥った証拠にロシアの乗用車生産高が急速に減少しています。2014年における乗用車生産台数は1692505台(前年比12.2%減)と落ち込みました。

 

・続く2015年はロシア工業商務省の発表によると前年比10%減とさらに減少すると予想しています。

 

20年間続いた政権は失策だった>

・プーチン大統領は20年間、ロシアを支えてきましたが、結局は失敗だったのです。最大の失政はロシアという大国をしっかりと国際社会に組み入れることができなかったことです。それが基本路線でなければならないのに、基本路線から外れてしまった。とくにクリミア問題で、国際社会のルールから完全に逸脱した行為をしてしまった。

 

<「冷たい戦争」に負けたことを隠す>

<反プーチンが膨れ上がる>

・ロシアでは原油と天然ガスにかけている税金が、国家税収全体の40%になります。それが、市況の低下で大きく減少し、税収が落ち込んでいます。40%を占めていた税収が半分以下になるという見方も出ているほどです。

 そこで、輸入消費財に関税をかけて、税収の不足をカバーしようとしますが、国民の生活物質の価格はますます上がることになります。すると国民の間で、生活が苦しくなり不満がたまります。

 

・東側陣営の指導者や経営者たち、労働者たちも経済原則を知らないのです。効率を求めてはいけないと思っているのです。「変わらないことがいいことだ」と信じています。このような価値観で技術革新が起こるわけがないのです。一定の型を作っていれば、それでいいというのが、社会主義の原則でした。ですから技術革新が入る余地はそこにはありません。そもそも発想として新技術とか効率化向上という発想が生まれてこないのです。共産主義、社会主義は人類にとって失敗の実験だったといえるでしょう。

 

<廃れるマルクス経済学>

・人間というのは欲望があります。その欲望を否定するマルクスの考え方が間違っていたのでしょう。共産主義、社会主義が消滅に向かうという人類の大きな流れがロシア、中国にも押し寄せているのです。私が30年前に書いた通りのことが起きるのです。事実そうなります。若干の時間のずれがあるのは仕方のないことです。しかし、方向性ははっきりしています。統制国家というのは、成り立っていかないのです。

 

<窮地に陥る韓国>

<韓国企業が厳しい状況に>

<北朝鮮が潰れたら韓国も危機的な状態に>

・ギリシャはデフォルトに陥りましたが、そうなる国はほかにもあります。ロシアがそうです。韓国も危ないのです。この2ヵ国がギリシャに続いてデフォルト状態に陥る危険性が非常に高いと私はみています。韓国は表向き反日なのですが、それを修正しないと韓国は救えません。

 繰り返しになりますが、北朝鮮が潰れたらどうするのでしょうか。北朝鮮が潰れたら韓国経済は間違いなく崩壊します。

 

 

 

 

『エコノミスト  2016.2.2

特集:丸わかり 激震!中国 

 

◇失速する経済、資源暴落  ◇世界に広がる負の連鎖

 

『崩壊防ぐのに必死の習政権 経済成長は鈍化する (遠藤誉)』

 

<共産党支配の限界>

・習近平主席は共産党の一党支配を維持するのに懸命だ。さまざまな手を打とうとしているが、行く手には困難が待ち受ける。

 

・中国には、共産党が支配する社会主義国家として、あってはならない激しい貧富の格差と、党幹部が利権集団として暴利をむさぼり人民を苦しめている、という現実がある。党幹部の周りには、コネと賄賂による腐敗天国が出来上がっている。

 

・この処分には、死刑、無期懲役から数年間の懲役、財産没収など、さまざまな種類と程度がある。習近平政権になってから、合計50万人ほどが何らかの形で腐敗分子として処分されたことになる。

 

<農民工の不満>

・中国には、14年の時点で26700万人に上る農民工(田舎から都会に出稼ぎに来た元農民)がいる。この人たちの多くは戸籍も住民票も持っていないので、教育や医療福祉の恩恵にあずかることができず、年金など望むべくもない。

 第1世代の農民工たちは、「世界の工場」の中国を支えるべく、厳しい労働条件に耐えて中国経済を押し上げてきた。だが、今や年老いて社会から切り捨てられようとしている。

 第2世代の農民工(第1世代農民工同士が結婚して、都会で生んだ農民工)たちも含めて、中国全土で起きている大小さまざまな暴動の数は、毎年18万件に達しているという。

 

・これらが政府転覆につながらないように、習近平政権は143月から20年までの国家戦略として、「国家新型城鎮化計画」(城鎮化=都市化)を実行している。これは、農民工を田舎に戻して、田舎を都市化し、そこに雇用を創出する計画だ。彼らには新しい戸籍や住民票などを与え、健康保険の加入や年金の積み立てなどをさせる。福利厚生戦略は、農民工のためでもあるが、国家のためでもある。そして、どの国でも福利厚生に重点を置けば、経済成長はその期間、鈍化する。

 

・こうして、印鑑を押す党幹部の周りに腐敗の温床が出来上がっていく。しかもこの時、環境汚染を防ぐための設備投資などで「目こぼし」をしてくれる。互いに利益だけを重視して、環境汚染に関しては「きちんとやっていることにする」のである。

 その結果、中国は空気を吸うこともできない、汚染物質で充満する国になってしまった。このままでは、中間層や富裕層までが政府転覆に向かいかねない。

 

・習近平は自分を「延安の人」と名付け、「第二の毛沢東」と位置付けている。

 

<AIIBで金融を制する>

・中国は、人民元の国際化とドルとの対等化を狙い、世界一の経済大国にのし上がることを目指している。

 また、「一帯一路(陸と海のシルクロード経済圏)」構想により、中国は自国から西側、地球の半分を掌握しようと策を練ってきた。

 

・習近平はこうして、国内に不満を持つ人民の目を外に向け、自分の政権で一党支配体制が崩壊しないよう必死になっている。22年までの任期中にこれらの国家戦略を完遂し、自分が「ラストエンペラー」にならないことを目指しているのである。

 

 

 

Will 201511月号』

 総力大特集 中国の自壊が始まった!

『中国は今も昔も「パンツ製造所」  石平』

 

 

 

<経済失速の連鎖>

・私が本誌で「中国経済はいずれ崩壊する」と主張し始めたのは、いまからおよそ56年前のことである。そしていま、それは目の前の現実となりつつある。

 今年8月と9月に公表された中国経済関連のさまざまな統計数字を一度に並べてみれば、この国の実態経済が一体どこまで沈没しているかがわかる。

 たとえば中国自動車工業協会が8月11日に発表した数字によると、7月における全国の自動車生産台数は151.8万台で、前年同期比では、11.76%の減少となり、前月比では何と17.99%も減った。僅か1月で自動車の生産台数が約18%も激減したとは、自動車産業にとってまさに地滑り的な凋落であろう。

 

・そして今年4月から7月まで、中国の自動車生産台数と販売台数の両方はすでに連続4ヵ月間、減り続けていたから、消費の激減が生産の激減をもたらすという、典型的な経済失速の連鎖がすでに始まっている。

 

<経済の「支柱」が崩れる>

・このように、ビールの消費量からスマートフォンや自動車の販売台数まで、中国の消費市場は急速に縮まっている。そして、自動車販売台数の激減が直ちに生産台数の激減に繋がったのと同じように、消費の冷え込みは当然、製造業全体の不況をもたらしている。

 

・英調査会社マークイットが、821日に発表した今年8月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)速報値は47.1。PMIというのは好不況の分かれ目の数値で、50以下であれば不況となる。中国のPMIはこれで6カ月連続で50を割り、8月の47.1はリーマン・ショック後の20093月以来、約6年半ぶりの低水準、まさに大不況の到来を示す数値である。

 

・中国国家統計局が9月10日に発表した産業界の取引動向を示す8月の卸売物価指数も、前年同月比5.9%の下落となった。同指数の下落はすでに42カ月(3年6カ月)連続しており、8月の下落幅は7月の5.4%からさらに広がった。中国の産業全体は沈没している最中であることがよく分かる。

 

・産業が沈没すれば、それと一連托生の金融業も大変な苦境に立たされる。

 

・こうしたなかで、いままでは「中国経済の支柱」の一つとして高度成長を支えてきた不動産開発業も深刻な不況に陥っている。今年上半期、中国全国の「不動産開発用地」の供給面積が同期比で38.2%も激減したことは、現在の「不動産不況」の深刻さを如実に示している。

 

・また、詳しいことは後述するが、今年6月中旬からこの原稿を書いている9月まで、上海株が連続的な大暴落を続けていることは周知のとおりである。

 

・以上のように、いまの中国では消費・生産・金融、あるいは不動産や株市場、経済のありとあらゆる領域で大不況の冷たい風が吹き荒れ、中国経済を支えてきた「支柱」の一つひとつが傾いたり崩れかけたりするような無惨な光景が見られている。中国経済は現在ただいま、壮大なる崩壊へ向かっている。

 

<「李克強指数」の誕生>

・実はいまの中国で、政府が発表したこの7%の成長率を額面どおりに信じている者はほとんどいない。

 

<生産自体も落ち込んでいる>

・以上のように、いわゆる「李克強指数」から見ると、2015年上半期の成長率は、0%かあるいはマイナス成長に陥っている可能性すらある。

 もう一つ、衝撃的な数字がある。中国税関総署が発表した20151~7月の貿易統計によれば、輸入が前年同期比の14.6%減だった。中国の場合、輸入は消費財よりも生産財のほうが多い。要するに、海外から部品などを調達してそれで生産活動を行っているわけである。

 

・つまり、輸入がそれほど減ったということは消費が落ち込んでいるだけではなく、生産自体も大幅に落ち込んでいることを意味している。

 このように、電力消費量と鉄道貨物運送量と輸入の大幅減とをあわせてみれば、今年上半期の中国経済は0%成長、あるいはマイナス成長であったことは明々白々である。鳴り物入りの「中国高度成長」の神話は、これで完全に崩れているのである。

 

<「パンツ」で経済成長>

・たとえば日本の場合、高度成長の最初の段階では、輸出品はせいぜいおもちゃぐらいであった。しかしその後、あっという間に日本の自動車が世界中を席巻し、1970年代には日本車の輸出台数は世界一となった。こうしたなかで、日本は継続的な高度成長を成し遂げることができたのである。

 

・一方、中国はどうか。一応は輸出大国である。だからこそ、世界一の外貨準備高を持っている。しかし、この2030年間で中国の輸出品が大きく変わったかというと、ほとんど変わっていないのである。

 

1980年代、中国の主要輸出品は安物の靴下やパンツであったが、現在でも我々は中国製の靴下やパンツを履いている。数十年間で中国の輸出がパンツから自動車に変わったかといえば、全く変わっていない。外国では、誰も中国製の自動車などを買おうとはしない。要するに、中国は今も昔も世界一の「パンツ製造所」というわけである。

 

<経済成長における悪循環>

・しかし、労働者に安い賃金しか与えず、儲けは経営者に集中するという貧富の格差が拡大することで、長期的には国内消費が落ち込む。

 結果的に、中国自身が安価な製品を作りながらも、国内の慢性的な内需不足に悩まされるようになった。

 

・それではどうやって経済成長させてきたかといえば、結局、輸出頼りとなるが、輸出を伸ばすためにはさらに賃金を安く抑える必要がある。それがまた国内の消費不足を招くという悪循環となる。

 

・もう一つ、中国が高度成長を支えてきたやり方とは、要するに過剰投資である。国民が消費しないなら政府が投資すればいいとばかり、公共投資によって道路や橋をつくって需要を創出してきた。それに伴い、セメントや鉄鋼など、いろいろな需要も増えてくる。

 そこで、中国は全土で投資中毒になってしまった。中央政府も地方政府も、公共投資や土地開発をバンバン行った。その資金のためにお礼を刷り、さらに投資を増やして経済成長を加速させていった。

 

・そんな政策を長くやってきたことで、過剰生産が深刻化してしまった。人の住まないゴーストタウン「鬼城」が大量にできあがり、生産設備も全部が余るようになった。

 健全な経済なら、民間の給料が上がって国内消費が拡大することで、そうした過剰生産も吸収されていくわけだが、前述のように国内消費の割合はむしろ落ち込む一方である。また、中国では高付加価値を生む産業も育成されていないから、相変わらずパンツしか作れない。だから給料も低水準のままになる。その点も、国内消費が伸びない一因である。

 しかも、大量にお札を刷ったために流動性過剰が発生して、インフレになってしまった。

 

<過剰投資が持続できない>

2010年までは中国の対外輸出の毎年の伸び率は驚異的な25%前後であったが、2015年に入って17月で0.8%減と、ついにマイナス成長へと転落した。

 

・しかしはっきりいって、中国という人口13億人の国が輸出で経済を支えるというのは、最初から無理である。

 

・同時に、いまの中国経済は「不動産バブル崩壊」と「シャドーバンキングの破綻」、そして「地方財政の破綻」などのいくつかの「時限爆弾」を抱えているが、0%成長かマイナス成長の状況下でそれらの「爆弾」が一つでも爆発すれば、あるいは同時に爆発すれば、中国経済は確実に死期を迎える。

 

<株価バブルは花火>

・最後に、上海株暴落の経緯とその理由について触れておこう。

 上海総合株価指数が5166ポイントという7年ぶりの高値をつけたのは今年6月12日のことだが、その直後から暴落が始まり、7月3日までの3営業日で約30%近い暴落が起こった。

 

・6月末から7月初旬の暴落時に異常だったのは、過半数の14百銘柄が売買停止となったことである。要するに、14百社もの上場企業が、自社株の暴落を防ぐために自ら売買停止にしたわけで、世界の経済史上では、前代未聞の話である。

 その時点で、上海の株式市場は半ば死んだのも同然である。

 

<延命策が命取りに>

・しかも政府が株式投資を煽ったせいで、この半年で株式市場に新規参入者がどっと増えた。2014年末に18千万だった個人の口座数は、2015年6月には225百万と実に半年で45百万件、割合にして20%も増加している。

 

・こういった新規参入者が信用取引に手を染めると、どうせ借金して買ったものだから、儲かったところで一斉に売る動きに出るようになる。

そして、ひとたび株価が下がるとそれを見てさらに売りが加速するという、パニック売りが起こりやすくなる。

 

・しかし、外国投資家は中国経済の実態をよくわかっているから、利益を確保したところで売る。

 そうなると、中国国内の信用取引をしている投資家も慌てて一斉に持ち株を処分し、恐慌売りが始まる。そうした仕組みによって、大暴落が起こりやすくなっていたわけである。

 

・このように見てくると、習近平政権は株バブルを煽って中国経済の延命を図ったが、結果的にそれが中国経済の命を縮めることになった。

 そして、実体経済がすでに沈没しているなかで、「株バブル」という最後の延命策が失敗に終われば、今後の中国経済を待っているのは崩壊という結末しかない。われわれはいま、今世紀最大の経済崩壊劇を目撃している最中である。

 

 

 

『中国大破綻』

ついに「失われた20年」に突入する

宮崎正弘     PHP研究所   2015/2/5

 

 

 

軍事クーデターの可能性が、中国の政変シナリオで一番高い

・秦、漢、隋、唐、宋、元、明、清、そして中華民国、中華人民共和国と「王朝」は変遷しても本質は変わらず、王朝末期には新興宗教が猖獗を極め、末法思想が流行する。

 金持ちは資金財産を海外へ逃がし、富の偏在に不満を持つ農民は怨念を爆発させて一揆に走り、全土に暴動が拡がって社会騒乱が招来され、これを千載一遇のチャンスととらえる軍閥が奇襲的なクーデターをやらかすか、近衛兵が裏切る。

 

・王朝が瓦解すると、新しい権力者は前王朝一族を皆殺しにする。中華四千年の歴史は、いずれも同じパターンを繰り返してきた。

 共産革命後、毛沢東が生きていた時でさえ、林彪は軍事クーデターを企てた。毛沢東死後の4人組の追放劇は、華国鋒が事実上の軍事クーデターを起こして江青以下を失脚させた。

その後の鄧小平といえども、華国鋒追放に際しては軍の主流派を動かした。まさに同じパターンの繰り返しである。

 

・であるとすれば、次のシナリオは“民主革命”とか、“アラブの春”のネット革命などの机上の空論は別として、暴動、一揆に手がつけられなくなって社会騒乱が大混乱の極みに達したとき、支配者は海外へ逃げる、というもの。そして北京を守る部隊か、北京に近い瀋陽あたりの部隊が軍事クーデターに打って出るというシナリオが一番、可能性が高い。だから筆者などは、政治権力闘争の表舞台よりも軍の動きに注視している。

 

<強い日本が、劇的にアジアを変貌させてゆく>

・これからのアジアはもっと劇的に変貌し、同時に中国経済の失速と低迷が始まるだろう。かくして中国は昏睡状態に陥り、「失われる20年」がやってくる。

 こう見てくるとこれからの中国はいったい、どうなるか?

経済的には、この小冊で縷々述べてきたように不動産バブルの崩壊が本格化し、銀行の天文学的な不良債権が露呈する。世界経済を巻き込む大混乱が惹起される可能性が高く、中国経済はその後、「失われる20年」を迎えることになる。

 政治的には習近平の権力基盤が固まるかに見えて、権力闘争はかえって激化し、共産党中枢が「土砂崩れ」を起こす危険性のほうが高い。

 

・第一に反腐敗キャンペーンの影響で失脚、左遷された旧江沢民人脈から思わぬ反撃に遭遇するリスクがある。

 

・第二に長老の李鵬ら電力利権を持つ守旧派が習近平に協力的ではない。

 

・第三に軍は「いつでも戦争の準備をせよ」と号令され、綱紀粛清、宴会禁止となって楽しみが奪われたため習を逆恨みしている。そのうえ江沢民派だった徐才厚と郭伯雄の失脚により、200名近い軍の上層部が失脚、あるいは左遷され、軍の士気は愕然となるほどに弛緩した。一部の跳ね返り組はステルス機を飛ばしたり、南シナ海や尖閣諸島付近で無謀な行動を取る。悪例の典型は、習近平がインドを訪問したその日に、インド国境の紛争地に軍が侵攻し、習近平のメンツを潰したことだ。習近平が軍を抑えていない何よりの証拠だろう。

 

・第四に「連立」を組む団派(共産主義青年団)との関係がしっくりせず、むしろ団派が軍を迎えつつある。

 

・他方、社会的には治安の悪化、テロ事件の頻発、農民暴動、企業従業員の山猫ストなどに加えて大気汚染、食品衛生の悪化、あまつさえ共産党幹部らの大金を持っての海外逃亡が頻発し、人民元高による輸出不振はいずれ経済構造を困窮化させる。過剰設備の再編も遅れがちで、こうした複合的要素が重なるためGDPはマイナスに転落するだろう。

 米国の学者も2016年に中国は昏睡状態に陥ると予測しているが、そろそろ習近平政権の基幹が空洞化し、権力構造に異変が起きるリスクが濃厚になっている。

 したがって中国は、これから「失われる20年」(いや、30年?)を迎えざるをえなくなるのである。

 

 

 

『公開霊言 二宮尊徳・渋沢栄一・上杉鷹山   富国創造論』

 大川隆法    幸福の科学出版  2010/6/2

 

 

 

 <中国経済への警告>

 <中国バブルは必ず崩壊する>

・農業国家から工業国家に移る段階では、かなりの高度成長が可能だけれども、そこから、さらに第3次産業であるサービス産業に移る段階においては、もう一段の熟練度と高度な技術が必要になるため、経済体制そのものが変わってこなければいけなくなるんです。

 

・今、中国は発展途上国から先進国の仲間入りをする、ちょうど境目です。「先進国になって世界を動かそう」と考え始めているところですから、このあたりで、彼らがまだ経験していないことが起きると私は、思いますね。

 

・しかも、中国には、本当の意味での資本主義社会における経済運営の経験がないのです。この発展そのものが軛(くびき)になって、バブルが崩壊するはずです。つまり、中国には大不況が必ず起きます。そして、大恐慌というか、経済の大破壊が起きた時には、当然ながら暴動がもっともっと増えます。そのときに政治のほうは、まだ共産党の一党独裁が続いていますので、必ず大弾圧を加えます。

 

・今も、中国では年間、何万件もの暴動が起きていますが、これがもっと大きな規模で起きてきます。例えば、農村部の収入の低い人たちが、沿海部の、すごく豊かな層、すなわち日本に買い物に来ているような金持ち層がいる町に、職業を得るために、なだれ込んでくる、あるいは、金品を奪いに来る。そうすると、豊かな人たちがそれを追い返そうとするので、内乱状態、内戦状態みたいなものが起きると思われますね。

 

・だから、まあ、そんなに一直線にはうまくいかないものです。必ずクラッシュしますね。経済的な崩壊というものを経験します。資本主義国においては、こうした景気循環は、一回きりではなく、何度も何度も経験するものなので、これを一回でマスターできたら、そりゃ相当なもんですよ。

 

・おそらく、中国経済は、近々、大崩壊を起こすはずです。それでもまだ、「先進国入り」が完全にできなければ、少なくとも、あと一、二回は大崩壊を起こし、「ああ、マルクスの予言が当たった」などということを自分たちで言うようなことになると思いますね。

 

 <中国経済を過大評価せずに、「産業の進化」を目指せ>

・日本が次にやるべきことは、はっきり言って「産業の進化」だと思います。すでにアイデアがあるものなどを、もっともっと進化させて、高付加価値のものを、比較的割安で提供できるような、システムを完備していけば、国際競争では勝てますのでね。やはり、低付加価値のものでは勝てません。

 

・高付加価値のものを売って、ある程度、儲けなければいけませんので、それなりの価格で売らなければいけないけれども、「開発費を考えれば、自分たちでつくることは、もっと割に合わない」と思わせるぐらいの値段で売るようにしていけば、基本的に日本経済の立て直しはできるということですね。ええ。

 

 

 

『中国の崩壊が始まった!』

日下公人   石平  ワック  2008628

 

 

 

<内需が拡大しない理由>

石;今の中国では、医療費の高さが問題になっています。そこも中国経済の問題になるんですけど、昔、社会主義時代は、医療費は全部公的負担です。私の父親の世代、父は大学の教師でしたが、医療費は全部無条件に国が負担でした。しかし、とう小平の時代に、それを改革開放政策で潰した。

 

・問題なのは、その医療費の公的負担のシステムを潰してから、それに替わる社会保障システムをまったくつくっていないことです。

 

・昨年の時点で、中国の農村、都市部を含めて医療保険をまったく持っていない人が65%もいます。国民の半分以上が医療保険を持っていない状態です。だから農村ではお金がないから、病気になると病院に行けないんです。

 

<北京オリンピックが崩壊のきっかけになる?>

<中国経済崩壊の前兆はすでに見えている>

<中国経済が悪くなったら外国資本を没収する?>

<日本のことを本気で学ぼうとする中国人はいない>

石;基本的に、今後の中国の対日外交は永遠に失敗続きですよ。ただし、中国共産党にとって幸いなのは、日本の政治家には馬鹿な人が多いですから、戦術的には時々勝つことができるんです。でも長期的に見ると、どうでしょう?先生、失敗するでしょうか?

 

日下;すでに失敗していると思う。

 

<中国人には感謝する心がない>

石;いや、日本化していくというよりも、アメリカ化していきます。今の中国の若い人たちは、むしろアメリカのようなライフスタイルに憧れを持っています。中国の大衆はアメリカは自分たちより強いから憧れる。だからアメリカの文化も認めたんです。しかし、日本文化なんか誰も認めていない。

 

<日中「敬遠」外交のすすめ>

<王朝が交代すると、人口は前政権の3分の1に減る>

<いかにして中国の内乱に巻き込まれないか>

・むしろ日本が考えるべきなのは、いかにして中国の内乱に巻き込まれないようにするかです。あの大日本帝国の失敗は、ある意味では中国の内乱に巻き込まれすぎた面もあったのでしょう。中国の内乱がいつ起こるかはわからないですが、それが中国の歴史パターンですから、また起こりますよ。

 

<中国は何でもありの国>

石;どうして何でもありうるかといえば、たとえば、中国共産党は、発砲してどんなに人を殺しても、絶対に自分たちが正しいというんです。すべて正当化する。だから、彼らがどんなに悪いことをやっても、あとで正当化するから構わないんです。

 

<中国経済は、もはや中央政府のコントロールがきかず、無秩序の混乱状態に陥っている!>

・農村部では数億単位の「余剰労働力」が発生し、都市部では、大学卒業生の約4割程度が就職できない。

 

・貧富の格差が広がり社会的不満は高まり、毎年数万件の暴動が発生している。

 

・経済が成長している中でさえこうなのだから、低迷すれば社会不安はどれほどまでに高まっていくのか、これは悪夢のような前景なのだ。

 

 

 

『中国経済崩壊の現場』  中国のメディアが語る

石平    海竜社   2009119

 

 

 

<絶体絶命の地獄へと落ちていくような中国経済の凋落ぶり>

 <経済繁栄の奇跡は、実は崩壊の一歩だった>

・勿論、目の前の現実となったとしても、日本のマスコミは、その実態をあまり伝えていない。「中国の明るい未来」を熱っぽく論じてきたはずの経済学者や「中国問題専門家」の偉い先生方の大半も、今やただ黙り込んでいるだけである。

 

・経済問題に関する報道は基本的に、一党独裁体制の諸々の政治的タブーに触れる可能性が薄いから、それに対する統制もずいぶん緩い。しかも、経済問題に関するマイナス報道を行った場合、「それがわが党と我が国のためにと思ってのことだ」との弁解も成り立つのである。そしてもう一つの重要な理由は、状況はすでにそこまで深刻化しているから、中国のメディアとて、もはや隠しきれない、ということである。

 

 <絶体絶命の中国経済と「成長神話」の終焉>

・中国の高度経済成長の内実は、実は脆弱なものだった。

 

 <内需拡大しかないが、それも難しい>

・内需拡大策を講じると言って、それらの条件はすぐに改善できるわけがない。それに加えて、株価の暴落、企業の倒産、減産に伴う失業、リストラ、減給が広がっていくという現状では、国民大半の消費能力はむしろ低下していく傾向にあるのは自明のことだ。

 

 <中国社会全体の崩壊すら危惧される>

・こうして見ると、今の中国経済はまさに絶体絶命の状況下に置かれていることは明らかだ。すべての道が塞がれてしまい、あらゆる救助手段も起死回生の決め手にはならない。中央政府ならびに地方政府という「藪医者」たちの処分した延命策も単なる愚策の中の愚策であることは明らかだ。

  中国経済の救いは一体どこにあるのだろうか。

 

・実は今までの中国では、経済が10%以上の成長率を誇示して繁栄を呈している最中でも、農村部では15000万人の失業者が溢れていて、毎年の大学卒業者の3割程度が就職できない状況が続いている。それが原因で社会全体の不平不満が常に危険水域に滞留し、年間数万件の暴動や騒動が実際に起きていることは周知のとおりだ。

 

・今後は、経済の失速と不況の到来が確実な趨勢となってくると、失業はさらに拡大して勤労者の収入はさらに下落して、人々の不平不満はさらに高まっていくのは避けられないであろう。

 

<中国という国はこれから、一体どのような地獄を見ることになるのか>

・少なくとも、今まで十数年間にわたって世界を驚嘆させてきた中国経済の「成長神話」は、いよいよその終焉を迎えることだけは確実であるかのように見える。

 

 <「内需拡大」を阻む消費の低迷とその原因>

 <崩壊したままの株市場と揺るぎ始めた金融システム>

 <中国の株価暴落、投資家の損失>

200710月、中国の株価で見る主な指標の一つである上海指数は、6124ポイントの史上最高値に達した後に落ち始めた。

 

・わずか、1年足らずして、最高値から、約70%の下落が記録され、まさに歴史的暴落と称すべきであろう。

 

・その後、上海指数は多少上がってきているものの、20081122日時点で依然として2000ポイント以下の低水準である。中国の株市場は、とっくに崩壊しているままである。

  9月中旬時点での計算では、一連の暴落において、A株(中国国内向けの株)の株価総額は34兆元(約484兆円)から14兆元に減り、22兆元(約330兆円)が「泡」の如く消えてしまったという。

  その中で、多くの個人投資家が員大な損害を蒙ったことは言うまでもない。

 

・個人投資家の約半分はその株投資の大半を失ったということである。

 

 5000万の個人投資家たちの財産喪失>

・個人投資家に対するネットアンケート調査を実施したところ、93%の回答者が株投資で損をした、という衝撃的な結果が出た。

 

・平均賃金が日本の10分の1以下の中国で多くの一般人にとってこのような損失は財産の全部かその大半が失われたことを意味するはずだ。

 

・倒産とリストラで失業者が大量に増え、減給によって勤労者の収入も大きく減少する中で、国民全般の消費能力がさらに落ち込んでいくのは必至だろう。

 

 

 

『中国はもう終わっている』

黄文雄、石平    徳間書店   2013/9/30

 

 

 

<地方政府の崩壊が秒読み>

・地方政府の税収は、その大半を中央政府に吸い上げられるシステムになっています。そこで、2006年あたりから、地方政府は土地の使用権を転売することで自主財源を生み出すようになりました。

 要するに、地方政府の土地を整備して、不動産開発会社にその使用権を売る。不動産会社はその土地にビルや住宅を建てて、金持ちや投資家に売りさばく、これが中国の不動産バブルを支えてきたのです。

 

・そこで地方政府が活用したのが、シャドーバンキングだったのです。中央政府の目をかいくぐり、大量の資金をここから集めることが可能になったのです。

 一説によると、地方政府の債務は合計して20兆元(約320兆円)あると言われています。こうした債務は、公共投資や土地開発に使用した資金ですから、返済期間が長く設定されています。

 ところが、実際には過剰な投資によって、ゴーストタウン化や過剰生産が起こってしまいました。

 

・はっきり言って、中小企業も地方政府も、債務を返済する能力も意思もありません。地方政府の返済が滞ったときには、借金したときの責任者がもういない、ということになる。中小企業もいざというときには夜逃げするつもりでいる。先ほど話に出たように、そもそも共産党幹部自体が、海外に資産を逃避させている状況です。

 いずれ大破局が来たとき、誰も責任を取らないことは明白です。

 

・たとえば、上海株式市場に上場している企業にしても、上場によって集められた資金が、どこへどのように流れているか、よくわからない。企業決算の数字も本当かどうかわからないから、いざ倒産して会社を清算したときに、公表された財務状態とはまったく異なっていた、ということもありえます。

 

・中国では国家と人民との対立も万古不易の摂理で、「国富民貧」「剥民肥国」という四字熟語もあるほどです。

 

<ますます信用できなくなっている中国の統計>

・さらに、2009年末からインフレが始まったことで、中国の人件費が上がりました。本来、お札を刷ってインフレになれば、自国通貨の外貨に対する為替レートが下落しますから、そうした為替の調整作用によって、人件費上昇分をカバーすることができますが、現在の中国人民元は管理フロート制・通貨バスケットという為替システムになっており、変動相場制とは言いながら、政府によって管理されています。しかも前日比の変動幅を0.5%以内に制限しているので、値動きとしては非常に緩やかです。

 そのため、インフレで人件費が上がっても、それを吸収できるほどの為替の調整作用が効かないのです。

 

・要するに、インフレになっても、中国は人民元切り下げもできず、そのため人件費の上昇で国際的な競争力を失ってしまったのです。

 現在、日本もアベノミクスによってデフレ解消を目指して金融緩和を行い、お札を刷るということをやっていますが、それによって円安になっています。そうなると、中国の競争力はますます失われていきます。中国が安倍首相を批判しているのは、そういった背景もあるのです。 

 

 だいたい中国製は、安いから買うのであって、高いならわざわざ買うことはないでしょう。

 

・まず、実体経済はますますダメになる。それは、実体経済に回すお金がなくなるからです。銀行は自分たちの保身に走るから、担保能力のない中小企業に、ますますお金が回ってこなくなります。それで、中国経済が冷え込んでいくのです。

 もう1つ、不動産バブルは確実に弾けます。もう銀行が融資を控えますから。そうなると、不動産開発業者の資金繰りがだんだん苦しくなる。

 

・しかも、不動産バブル崩壊で価格が暴落すると、不動産を財産として持っている人々が、財産を失います。そうなると、中国の内需、消費は減り続け、中国経済はますます転落していくしかなくなります。

 そのようなことは、李克強たちにもわかっているのです。要するに、もうどっちみち生きる道がないということが。

 

<続々と撤退する外国資本と大量失業者の発生>

・これまで日本は「中国に進出しないと未来はない」といった論調でしたが、それが間違いだったことがはっきりしました。

 

・しかし、中国の農民工たちには、もう農村に生存基盤はないんです。耕す土地もなければ職もない。彼らはほぼ永久に、あちこち流れていくしかない。

 もし日本で2300万人の人々が、定職もなく、あちこち流れると想像したらどうですか。

 

・この23000万人の農民工の多くが20代、30代ですから、都市生活に慣れた彼らは、農村に戻っておとなしく生活することは絶対にありません。

 つまり、中国歴史上に繰り返し出現してきた流民が発生するということです。その結果は、黄さんがよくご存じでしょう。

 

・中国では、食えなくなった農民が流民となり、それが一大勢力を形成して政権を崩壊させるような暴動や大乱を起こしてきました。黄巾の乱も太平天国の乱も、流民を結集させて大きな勢力となりました。

 

<中国社会を崩壊させる2つのグループ>

・中国では大学生は7月に卒業し、9月に就職します。2013年に卒業する大学生は699万人いますが、現在は「史上最悪の就職氷河期」と言われています。

 中国の伝言情報サイト「趕集網」が発表した「2013年卒業生就業報告」では、5月末時点で、就職が決定していた学生は、わずか16.8%だったと報じています。

 

・ということは、大学生だけでも約500万人が就職できないことになる。そしてこの数字は、これから年々悪くなっていくことになります。

 

2014年 世界から見捨てられる中国>

<偽りの経済成長で深刻化する大気汚染と疫病蔓延>

・経済崩壊がもはや避けられない中国ですが、2013年にも、それを象徴するかのような、さまざまな矛盾が噴出しました。

 その1つがPM2.5(微粒子状物質)です。これは、自動車の排気ガスなどに含まれる直径2.5マイクロメートル以下の微粒子のことで、人が吸い込むと喘息や肺がんを引き起こすとされています。中国の主要74都市では、このPM2.5の平均値(20131月~6月)がWHO(世界保健機関)基準の7倍にも達していると報告されています。

 

・このように、中国はユーラシア大陸の伝染病の発生源であり、台湾も日本も、病原菌が中国からの船などによって運ばれ、歴史的に大きな被害を出してきました。最近では、SARS(重症急性呼吸器症候群)の流行も記憶に新しいところです。

 

350年前の人口爆発から始まった環境汚染>

・毛沢東の時代には、戦争をする必要から「産めよ増やせよ」と出産が奨励され、56年ごとに1億人増加するという、猛烈なペースで人口増加が進みました。毛沢東が死去したときには9億人に達しています。

 

<環境悪化が経済成長を不可能にする>

・役人も企業も民衆も、みんなが金儲けに奔走して、その結果、環境汚染が加速度的に進んでしまいました。

 中国が現在直面している問題は、もはや経済成長といったレベルではなくて、人間としてどうやって生きていくのかという問題になっています。これは、世界全体にとっても大変な問題です。あの十数億の民をどうするのか。誰がどう養っていくのか。

 

・環境問題の悪化は、今後の中国の経済成長が不可能である1つの要因です。環境の悪化を防ぐには、経済成長のペースを下げざるをえない。しかし、そうなると食えなくなった民衆が暴動を起こす。かといって、経済成長のために現在の鉄鋼産業のように無理な生産を続ければ、環境汚染が進んでやはり民衆が暴動を起こす。どちらにしてもいい結果にはならない。だから、金持ちから貧困層までもが海外へ逃亡しているのです。

 このように、経済成長を維持できる要因が1つもないのです。中国でいま、習近平こそ「ラスト・エンペラー」だという話が囁かれていますが、こうした状況を見るにつけ、それは正しいと思わざるをえません。

 

<ウイグル問題の爆発が迫っている>

・そして、中国が抱えるもう1つの大きな爆弾が民族問題です。2008年の北京オリンピック直前にチベットで大規模暴動が起き、これを力で抑えた中国に対して、世界中で批判が相次ぎましたが、新疆ウイグル自治区では最近、同様の住民暴動が頻発しています。

 

<世界から締め出され始めた中国>

・これまで議論してきたように、経済も悪化する一方、習近平の政治改革も不可能、環境問題も民族問題も解決できないとなると、中国は国際社会における大混乱要因と認識されるようになるでしょう。

 そしていま、中国の世界に対する影響力が目に見えて低下しています。

 

・これまで日本のメディアは「中国のしたたかなアフリカ支援」などと持ち上げてきましたが、現在では、アフリカ諸国から公然と批判が起きるようになってきました。

 中国との「子々孫々までの友好」がいかに難しいかということを、アフリカ諸国の人々もようやくわかってきたようです。

 

・アフリカにしても、中国から多額の援助があったところで、国民は豊かにならない。むしろ不当に安く中国人に使われるだけで、儲けは中国人に持って行かれてしまう。そういうことがわかってきた。

 中国経済がもっとも躍進した時期でさえそうだったわけですから、これから経済が失速するなかで、他国に利益をもたらすような援助などできるはずがない。アフリカ諸国もそう考え始めたということだと思います。

 これから中国にしがみつくのは韓国くらいでしょう。しかし、韓国人も実際は中国を嫌っている。しかし、彼らは中国に頼るしか道がない。

 

<日本は中国崩壊に備えよ>

・もう、中国の未来ははっきりしています。もはや経済的も社会的にも、ソフトランディングもハードランディングもできない。待っているのは着陸ではなく、墜落ですよ。中国では実体経済も産業も社会もすべて小細工と偽物の集まりだからです。

 

・中国のバブルが崩壊すると、その影響はリーマン・ショックやギリシャ危機、ドバイショックの比ではないという観測もあります。

 

・だから、日本としては高見の見物をしていればいい。

 ただ、日本として気をつけなくてはならないのは、バブル崩壊によって中国が大混乱に陥ったとき、中国共産党は統制経済への道に走るだろうということです。そして、それと同時に、対外戦争を仕掛けてくる可能性がある。自分たちが地獄に落ちるならば、日本も道連れにする可能性もあるのです。

 

・中国経済の崩壊によって韓国は大きな影響を受けるでしょうが、競争関係にあるBRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)諸国、あるいはVISTA(ベトナム、インドネシア、南アフリカ共和国、トルコ、アルゼンチン)諸国は、かえって喜ぶでしょう。インドもアジア諸国も喜ぶ。

 

・みんな喜ぶ。ただし、もう1つのオプションとしては、中国国内の大混乱や、さらには政権崩壊などが起きれば、何千、何億という人民が雪崩を打って日本に逃げ込んでくる危険性もあります。

 そうなると、日本も混乱の余波を受けて、大打撃を受ける。これは日本のみならず、周辺国がみなその脅威にさらされることになります。そもそも、数千万から億単位の人民を受け入れることなど、どの国でも不可能です。

 残酷なようですが、その際には流入をシャットダウンするしかない。おそらく世界各国もそうせざるをえないでしょう。その日のためにも、日本は周辺各国と密接に連携しておく必要があると思います。

 

 

 

『週刊東洋経済   2015/6/27

 

 

 

<ミスターWHOの少数異見>

<上海株急騰の裏の裏>

・「1万ポイントまでいく」と言うのは、とある政府関係者。中国の代表的株価指数、上海総合指数の話だ。

 

・中国の証券市場は、個人投資家が主体であるうえ、10年に信用取引を導入したこともあり、一方向に振れやすい性質がある。それにしても、景気の減速が明白な中での急騰は普通ではない。

 

・国内での不満の高まりを懸念した政府は株価上昇を容認、御用学者が5000ポイントまでの上昇を予測、政府系新聞は株高をあおった。

 

・また、アジアインフラ投資銀行(AIIB)の設立に絡んだ海外向けのアピールだと解説する中国人学者もいた。習政権が打ち出している「一帯一路」政策は中国の自信を表しており、これを実行に移すためにも、中国経済は引き続き堅調に推移している、というシグナルを発信したというのだ。見え見えの官製相場だとしても、結果が残れば、その意図は成功したといえる。

 

<官製相場は制御可能か>

・つまり、今回政府が株高を容認したのなら、政府保有株式の放出を検討しているとしてもおかしくはないのだ。

 さすれば、政府にとって虎の子ともいえる保有株を売却する理由は何か。表向きは「民営化の促進」ということになるだろうが、今である必要はない。

 考えられるのは、鉄鋼など業績悪化が伝えられる企業群に対するテコ入れの原資である。また、不動産開発で多額の債務を抱えた地方政府の救済もありうる。

 

・いずれにしろ懸念されるのは、膨大な売りによる需要悪化だ。放出の仕方を間違えれば暴落につながりかねない。

 

 07年、株価は半年で倍になって最高値をつけた。このときは年金を受給している老人までが株式を求めて列を成した。が、その後は同じ期間でほとんど半値になっている。        (東えびす)

 

 

 

2012年、中国の真実』

宮崎正弘  WAC   2011/12/26

 

 

 

<次は人民元大崩落だ>

<路地裏に真実の姿がある>

・絶好調にみえた中国経済だが、大通りのぴかぴかの摩天楼から裏道の胡同へ足を踏み入れると、周囲一帯はゴミの山、むせかえる臭気、不衛生の家屋、ボロ小屋、気絶しそうになる公衆便所、廃墟の瓦礫がある。全ては外面を飾るだけの見せかけだったことが分かる。これは中国経済の本質を象徴している。

 数カ月前まで専門家の見立てでも、中国の不動産価格は2012年までに30%ていど下落すると予測されていた。

 

201110月に市場はブルからベアに変貌した。ブルは強気、ベアは弱気をあらわすウォール街の比喩。爾来、「不動産の暴落」は常識となり、3割どころか「4割暴落説」が定着する。

 

・筆者は個人的に70%の暴落を予測している。なぜなら昔から株価は「半値八掛け二割引」(つまり68%暴落)と相場師のあいだで言われたように、噴き上がったバブルの落ち着きどころとはそのあたりであろう。

 

・問題は不動産価格や販売傾向の話ではない。中国経済の最大のアキレス腱は「中国的社会主義市場経済」なるものの金融システムの脆弱性である。

 

・開発業者の金利払いが行われなくなり、銀行が貸しはがしに転じるとき(昨今の中国の金融当局の引き締め政策を見ていれば、金融破綻は時間の問題である)、何が起きるか?

 推定される不良債権は少なく見積もっても邦貨換算で170兆円である。

 

・中国に当てはめれば、1万社ある開発公社の破綻はたちまちデベロッパーの破綻へ繋がり、銀行経営が極めて深刻な状況に陥ることになる。だから地方政府は地方債を突如として発行し始めたのだ。

 

・サブプライムローンの焦げ付きが表面化したとき、米国の空き家は1千万戸だった。中国はバブル破裂前の段階で空き家はすでに2千万戸(電力メーターが動いていない家屋は65百万戸という統計数字もある)。つまり胡錦濤・温家宝路線のかかげる「保八」(成長率8%死守)は早晩、実現不可能に陥る。

そのとき何が中国社会に起こるか?

いま程度の暴動で社会騒擾が収まるとは考えにくい。

 

<中国経済が転倒すると、世界経済の牽引車が不在となる?>

<「超高層ビルの呪い」というジンクス>

・上海で2014年に完成する「上海センター」はじつに632メートルの超高層ビルとなる。ジンクスはこちらのビルにかぶせられ、まもなく「上海不動産バブル崩壊の象徴」となる可能性がある。そしてドバイショックの1千倍、リーマンショックの2倍以上の衝撃がまもなく中国からやってくる。

 「その次」にやってくるのは多くのエコノミストが想定外の人民元大暴落だろう。理由は簡単である。通貨供給がGDPの2倍近い。インフレをこれで抑えることも高金利政策も取れないとなれば、残る選択肢はただひとつ、通貨人民元を引き下げることだ。たとえ、人為的に引き下げなくても、市場メカニズムが自動的に下落の道を開くことになる。

 

・紙幣の増刷、増刷、増刷で、中国に7カ所ある造幣局は24時間フル回転。通貨安戦争の猛烈な戦場に参加した中国は米国のドル安、欧州のユーロ安にならぶ通貨安を実現させようとしたが、貿易黒字と不動産暴騰によって果たせなかった。しかし、不動産価格の大暴落によって舞台は暗転した。

これからそのツケが一気に回ってくることになるのである。                                                                                                                                                                                                                                                                                      

 

 

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